さてさて、病室でこの世界に帰ってきた私は視界に入ってくるものと自分自身の感覚で情報収集にあたります。
ーどうやら入院したようだ。
ー職場で倒れたんだっけ。
ー相部屋みたいだね。
ー左腕に力が入らないな。右手は動く。
ー左脚にも感覚ないな
ー疲れてたのだろう。しばらく休養しかないな
まったく、大事という認識はありませんでした。
脳出血、左片麻痺という認識はやってしまったという認識はなかったかもしれません。
来週の予定のことばかり気にしてました。
ー鍼の予約キャンセルしなくちゃ。
(それかよ)
ー東京出張だったのになぁ。会議欠席だな。数字は締めたし、資料投げ返しておいてよかったわ。
(行く気満々だったのかよ)
ーアポキャンセルだな。突然電話してきて、番号からどこの部署か確認しといてよかったわ。いきなりきて、たーさん、入院しましてだと、誰も対応できんわ。
(おつきあいで、断る理由できたねーって思ってるだろ)
おまけに、
まぁ働きすぎやね。過労だろうから1週間は休養だなぁー
そう、その時は鋭気を養えば
10日もあれば退院できると思ってます。
この病気の怖いところ。
「病識の欠如」
脳にダメージを負っていたのかもしれません
発症後の入院する病院を急性期病院といいます。
この時は何の知識もなく、ただ入院したという認識でしかないのです。
日を追うにつれ、自分に起こったことがなんなのか認識していくころ試練が襲いかかってきます。まだまだ先のことです。
今日はこの辺で。