報知機事件(回顧その37)
発症して倒れた時にも思わなかったもの。
それは人生ってあっけないものだと。
回復期病院へ転院して数日のこと。
深夜いきなり火災報知機がなる。
薄気味悪い嫌なサイレン音とアナウンス音である。
麻痺で動けない。誰も来ない。
耳を澄ましても静まり返っていて避難や騒いでいる気配もない。
脳に損傷を来たし、精神がまいっている方もいるので騒動起こしても不思議ではない。
館内の機械のアナウンスが退避せよとのこと。
そっか、ここで人生が終わるのだ。
確実に死ねるよう火の中に飛び込んでいくか。
今日会えた人。会えてよかった。
いろいろ保険や貯金のこと整理して伝えたよね。
なんとかやってくれるよね。
待てよ。このまま全焼ならいろいろ被害が広がるよな。自分だけやっと逝けると思うわけじゃないもんね。
とりあえず119番して、自分が病室からかけていて動けないこと。火災報知器が避難のアナウンスを出したこと。その他全く情報が得られないことを伝えました。
電話の向こうは
では、病院に電話して関係者に確認をとります。
とのこと。
(緊急事態だったら悠長すぎない?)
ついでに嫁さんにもメールを。
墜落する飛行機の中なら確実に残しておきたい感謝と今後のことについてメッセージを送ったでしょう。
ちなみに送ったのは
通報して。
1人じゃ信じてもらえない。複数なら現地へ確認はするでしょうとの思いでした。
もやもやしながらこのまま火(死)が来るのを待つのかと人生を見守る時間として横たわっていました。
ようやく夜勤の看護師がきて
「誤報です」
真っ先に確認、連絡ができない体制って災害はこうして大きくなることをまざまざと体験してしまいました。ちなみに事後もこんな騒動を起こして何の説明もなし。命を預かる病院としてサイテーですね。
こんなことがあって、自分と向き合う苦しい時間が回復期病院では訪れていきます。
今日はこの辺で。